悪循環と脱出

いつもの悪循環に陥った。ひたすらゲームをやったり、ネットで普段は読まない漫画を読み続けたり、昔覚えた曲を聴き(そして歌い)続けたりして、そこから抜け出せなくなる。こういうループに入るのはだいたい、仕事がひと段落して何らかの締切がそこまで迫っておらず、外出の予定もなく、自分を止めてくれる人が不在、といった状況にあるときだ。要するに、自分は暇で一人だとろくなことをしない。ご多分にもれず、だろう。

年末から年始にかけてはひどかった。ゲームばかりしていた。うんざりだった。ただ、途中、Bリーグ観戦とスターウォーズをなんとか挟むことができたのは良かった。あれである程度の精神的安定を保つことができたように思う。

1月1日、夜。19時半頃から漫画喫茶に8時間のナイトパックで入った。退出予定の時間帯には電車は動いていない。もちろんそれは分かっていたんだけど、12時間のパックで入ることに後ろめたさを覚え、嫌な予感を覚えつつも8時間のパックを選んだ。こういう思い切りの悪いいい加減さは失敗に繋がる。歩いて帰ればいいと思っていたが、案の定、その時になったらだるくなった。朝方の3時半頃に4時間のナイトパックで入り直し、漫画の続きを読んだ。5時頃には頭痛がしてきた。狭いスペースで、徹夜で休みなく漫画を読み続けていたんだから当然だと思う。でも止まらなかった。7時半に退出する頃にはものすごく疲れていた。帰宅するだけでも一大事だった。もし近くに友達の家があったら、そのまま部屋を借りて仮眠していたと思う。幸い、こういうときに頼れる友達が近くにいないので、ちゃんと自宅に帰る気になれた。もっとも、そういう友達が近くにいたら元日から漫画喫茶になんて行こうと思わなかったかもしれないが。

ともあれ、この日のことはちょっと愉快な結果をもたらしつつある。まず、私は次の日ブックオフに行き、漫画喫茶で読んでいた漫画の続刊、読めなかった分を一気に買った。店に着いてから知ったんだけど、本がすべて20%オフになるセールだったから躊躇わなかった。そして、その後2日間にわたり、手に入れた最新の巻まで読み続けた。自室で読むのは快適だったけど、止まらないことへの焦りは続いた。そして、読み終えた時点で、ゲームをしたい気持ちがほとんどなくなっていた。それどころか、ある種の嫌悪感すら覚えている。ほぼ止まったわけだ。飛行機に乗る前に気持ち悪くなるまでタバコを吸った時の感覚に似ている。

毒をもって毒を制する、とはこういうことだろうか。もしかすると誤用かもしれない。そんな気はしつつも、しっくりくる感覚もある。まあいいや。毒をもって毒を制すると言えば、カルロス・ゴーン氏の一連の動きはそんな感じなんじゃないかと思う。